Bob Gore Stretching PTFE

デラウェア州ニューアーク/アメリカ合衆国 (2019年10月8日) — 2019年10月28日は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)の発明という歴史的な出来事から50年目となる日です。この一般にはあまり馴染みのない素材は、W. L. Gore & Associates (以下、ゴア)が開発・製造する幅広い製品をはじめ、今日の多数の日用品の重要な構成要素となっています。延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、縫合糸や人工血管といった移植用医療デバイスなど、高い社会的価値を持つ製品の要となる革新的な素材です。そのほか、防護用アパレル、国際宇宙ステーションのデータ伝送ケーブル、自動車用燃料電池、ギター弦、携帯電話用ベントなど、多種多様な製品に用いられています。

ePTFEというと、防水性・透湿性をもつアパレル製品の先駆けであり、非常に高い認知度を誇るGORE-TEXブランドに使用されていることが広く知られています。しかしそれにとどまらず、ePTFEは世界中で日々製造されている消費者向け、産業用途、医療用途の数多くの製品に欠かせない素材となっています。

創業者のビル・ゴアとヴィーヴ・ゴア夫妻の息子で、W. L. Gore & Associates, Inc.の元社長であり会長も務めたボブ・ゴアが、1969年に安価なPTFEテープの大量注文に対応すべく試行錯誤する中、ePTFEを発明しました。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、当時ゴアで多くの製品に使用されていたポリマーです。ボブはPTFEに熱を加えて伸ばすことで、少ない材料でより多くの製品を生産できると考えました。

ボブは延伸実験を繰り返しましたが、成果が得られずにいました。ある日、夜遅くラボで断念しそうになっていた彼がいら立ちを募らせて素材を強く引っ張ると、思いもよらず、もとの直径を維持したまま、伸ばした腕の長さいっぱいにまで延伸しました。

高温になった素材を急速に引き延ばしたことで、空気がPTFEの構造に入り込み、その結果大きく延伸できたのだとボブはすぐに理解しました。延伸ポリテトラフルオロエチレンすなわちePTFEとして知られるようになったこの新素材は、優れた強度や空孔率、独特の微細構造といったさらなる特性を備えたことから、非常に広範な用途への大きな可能性を開きました。

この発明に対してゴアが取得した当初の特許は、アメリカ特許庁から最も優れた特許200件(1,000万件以上の発行済特許の中で)の一つに指定されました。このオリジナルのePTFE特許は、GPS技術やインクジェット印刷の特許よりも頻繁に引用されています。

「ボブ・ゴアがこれらの特性を見出し、今私たちが目にしている一連のePTFEイノベーションの連鎖が好調なスタートを切ってから、50年が経ちました。ePTFEは非常に大きな影響力を持ち続けています。その影響は、ゴアという企業そのものに対してだけでなく、多種多様な産業における数多くの発明にまで及んでおり、真の意味で革新的で測り知れない利益をもたらしています」と、W. L. Gore & Associates, Inc.の現社長兼CEOであるジェイソン・フィールドは述べています。

ePTFEの発明以降、ゴアはこの素材を広範に応用すべく専門知識と技術に磨きをかけてきました。今日、ゴアのエンジニアは、多様な用途の中で求められるさまざまな性能を発揮させるために、ePTFEが持つ特定の特性、例えば、構造、形状、厚みを変化させることができます。

ゴアのアソシエートによるこうした取り組みは、創業者のビル・ゴアとヴィーヴ・ゴアが育んだゴアのカルチャーを反映しています。ゴアが持つカルチャーの真髄は、ゴアのあらゆる取り組みに影響を与えるような方法で、アソシエートがその沸き起こる好奇心とイノベーションを目指すスピリットを発揮できる職場環境を醸成することです。まさにボブ・ゴアが1969年に行ったように、ゴアのアソシエートは今もePTFEと他の先端材料について、無数の用途を追求し続けています。その結果、ゴアは材料科学の先駆者として、お客様の技術的課題を解決できる会社と認識されています。

W. L. Gore & Associates(ゴア)について

ゴアは、業界へ変革をもたらすことで、人々の生活の向上に尽力する、グローバルな技術主導型企業です。1958年の創業以来、宇宙空間から世界最高峰の山頂、さらには人間の体内まで、厳しい環境における複雑な技術的課題の解決に寄与してきました。ゴアはチームワークを大切にする企業文化を持つことで知られており、10,500名を超えるアソシエート(社員)を擁し、年間37億ドルの収益を上げています。

詳細はgore.comを参照ください。