スマートフォンの熱拡散、放熱、熱からの保護

熱対策はスマートフォンの開発において大きな課題の1つです。iPhoneでも、Androidでも、その他のシステムでも、スマートフォンの熱対策において熱伝達は解決が難しい問題です。

スマートフォンの場合、プロセッサ、5Gミリ波アンテナ、カメラ、バッテリーやその制御システムなど様々な部品が熱を発生させます。

スマートフォンの進化にあわせて、さらに多くの発熱部品が組み込まれたり、よりハイパワーで稼働するようになったことで、機器全体が高い熱を発生します。さらに、スマートフォンの薄型化に伴い、発熱部品が収められる空間はますます小さくなっています。これらの傾向により、スマートフォンの熱対策はデバイスの成功を左右する重要な要素となりました。消費者にとって安全な接触温度を維持し、かつ内部部品を劣化から保護するためには、熱対策を行う必要があります。スマートフォンのパフォーマンス向上と熱の抑制が同時に可能な新しい選択肢が存在します。

スマートフォン内部の熱を分散するためには、1つの場所から別の場所へ熱を移動できるよう、様々な種類の熱対策部材を用いて設計を行う必要があります。これらの部材には以下のようなものがあります。

• グラファイト材、ヒートパイプ、ベイパーチャンバーなどの面方向の熱拡散部材
• TIM（Thermal Interface Material）やサーマルペーストなどの垂直方向の熱拡散部材

GORE^® Thermal Insulationは、これらのモバイル向け熱対策部材に加わる新たなソリューションです。意図しない方向への熱の移動を防ぐ効果的な遮熱方法として、以下の2通りの目的で使用されています。

1. 表面温度を低下させ、ヒートスポット発生を抑制
2. 温度センサーやバッテリーなどの熱に繊細な部品を、他の部品の熱から保護

熱拡散部材とGORE^® Thermal Insulationを併用することで、スマートフォンを熱から保護し、過熱によって内部部品やユーザーに害が及ぶのを防ぐことが可能になります。

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GORE^® Thermal Insulationを利用することで、既存の熱拡散性能を更に高めることができます。高品質のエアロゲル技術によって垂直方向の熱伝導率(Kz値)が空気より格段に低いGORE^®Thermal Insulationは、エアギャップをしのぐ断熱効果を発揮します。単独で、または熱拡散部材と併用することで、より高性能な熱設計を実現することができます。

スマートフォンの熱拡散のために断熱を行うことは、断熱材の使い方によって有利にも不利にもなり得ます。

• 多量の断熱材を熱拡散部材と併用することなく使用すると、プロセッサに熱が戻り、過熱が生じる可能性があります。
• 最適な厚みや面積の断熱材と熱拡散部材を使用することで、熱伝達を促進し、機器内のより温度が低いエリアへ熱を移動させることが可能になります。断熱材は、スマートフォン全体の表面温度のバランスを均等に維持するのに役立ちます。

また、スマートフォン内の熱に弱い部品を近くの発熱部品から保護することが挙げられます。例として、

• 一部のスマートフォンは周辺環境の温度を測る温度センサーを備えていますが、正確な計測を行うには、機器の熱からセンサーを保護する必要があります。
• GORE^® Thermal Insulationを発熱部品と熱に弱い部品の間に配置することで、周囲の部品が発生させる熱からセンサーを保護することができます。

アプリケーションの例：スマートフォンとGORE® Thermal Insulation

実績と試験により、スマートフォンにおけるGORE^® Thermal Insulationの効果が実証されています。また、適用した製品のパフォーマンスが上がり、全体としての使用満足度向上に繋がっています。

GORE^® Thermal Insulationの技術情報はこちらからご覧ください

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