ポータブルエレクトロニックスベントの取り扱いおよび取り付けガイド

以下のガイドラインは、ゴアの知見・経験に基づいております。お客様の製品が、ベント製品の性能を最大限引き出せるように、当ガイドラインに沿ってのご使用を推奨します。

推奨保管方法

• 製品は未開封の状態で、最長１年間保管可能です（製品番号とロット番号は包装に記載）。できる限り密封状態で保管してください。
• 温度20-25度、相対湿度40-65%で、クリーンな冷暗所で保管してください。

取り扱い方法

• 製品は、出荷前に品質検査を実施しています。製品を受け取りましたら、お客様自身での検査を実施してください。輸送中に製品破損が生じたと思われる場合は、直ちに営業窓口にご連絡ください。
• ベントの粘着部を取り扱う際は、未使用で清潔なパウダーフリーの手袋・指サックを使用してください。手袋・指サックが汚れた場合は、必ず清潔なものに取り替えてください。製品を取り扱う際は、未使用で清潔なパウダーフリーの手袋・指サックを使用してください。汚れた場合は、必ず清潔なものに取り替えてください。取り付け前に製品への汚れや破損が生じないよう、通気領域（図1）やリング状粘着材に直接触れないでください。

装着面の準備

• 装着面にベントを傷つけるようなバリや凹凸がないことを確認してください。ベントの破損や実装面への粘着に影響する可能性があります。
• 実装部の表面粗さはVDI15～21を推奨します。
• 清潔な手袋を着用し、イソプロピルアルコールなどの適切な洗浄剤と、糸くずや粒子の出ない清潔な布を使い、筐体の油分・汚れを装着面から取り除いてください。ベントを取り付ける前に、筐体の装着面が乾いていることを確認してください。
   

台紙からの取り出し

• 台紙からベントを取り外すためのピンセットは、先端が尖っていないもの、あるいはゴム製のものを使用してください。先の尖ったピンセットを使用すると、ベントを破損する可能性があります。
• 以下のいずれかの方法で、ベントを台紙から取り外してください。
  • ベントの先端が台紙から剥がれるまで、台紙を直角（図 2a）か、できればそれ以上の角度（図2b）に、ゆっくりと折ってください。ベントの先端をピンセットではさみ、台紙からベントを取り外します。
  • 台紙にミシン目がある場合は、ミシン目を慎重に切り離し、ベントを台紙から取り外してください（図3）。
  • プルタブ付きのベントの場合は、台紙を曲げ、ピンセットでベントのプルタブをつかみ、台紙からつまみ上げてください（図4）。その際は、必ず台紙を折り曲げてください。

ベントの位置決め

• 装置への水圧方向を確認し、必ず防水粘着材を筐体外部に向けて貼るようにしてください。（PE7は筐体の外側から内部に向けての貼りつけも可能）
• ベントは平面に取り付けてください。曲面に取り付けた場合、装置への防水性能や音響性能に影響を与える可能性があります。
• プルタブ付きベントを取り付ける場合、位置決め穴を使って、装置内の位置決めができます (図 5)。
• ベントの取り付けに失敗した場合、そのベントを再利用しないでください。筐体の装着面を洗浄し、新しいベントを使用ください。
   

ベントの取り付けと加圧

• ベントは装置に対して均等に、確実に取り付けられていることが重要です。
• 以下は使用する加圧ヘッドの例です。（図6）加圧ヘッドがベントの粘着部のみに均一に圧力を加えながら、通気領域との接触は防ぐようにしてください。
  • 正しい場所に確実に取り付けるために、垂直方向に加圧します。
  • 加圧ヘッドは、硬度ショアA70のゴム素材か、それに準ずる素材を推奨します。
  • 通気領域に接触しないように、中心部は凹状を推奨します。
• 加圧の圧力と時間はベント仕様によって異なります。防水性、通気性、音響性などの装置の機能テストの結果に基づき、最適な圧力・時間を決定します。オンラインDOEのベースラインとして2～5Nで6～15秒（ 内径1.6mm/外径3.2mmベントの場合）を推奨します。
• ベントを取り付けた装置の使用や評価は、加圧後24時間経過した後に行なってください。
   

プルタブの取り外し

• プルタブ付きベントの場合は、プルタブを慎重に剥がし、ベントを破損しないようにしてください。ベント本体近くのプルタブの部分をつまみ、円を描くようにしてプルタブを剥がします（図7）。
• プルタブにスリットがある場合は、スリットの部分でプルタブを剥がし、そのまま円を描くようにして残りの部分を剥がします（図8）。
• プルタブの裏面に剥離層がある場合は、本体より少し長めになっている剥離層の部分から、プルタブを剥がすようにしてください（図9）。

備考：当社の品質保証手順では、出荷検査でベント製品の一部を、台紙から抜き取ります。その分を補充する目的で台紙は長めになっています。台紙あたりの数量が定められた数量となるように、台紙を長めにした上でベントを補充しています。製品は汚れや損傷を避けるため、最小限に取り扱われていることを保証します。

取り扱いおよび取り付けについての質問は、ゴアの営業窓口にお問い合わせください。