製品概要

空気より優れた断熱性能で5Gアンテナのヒートスポットを低減
断熱材が熱移動に及ぼす影響
GORE® Thermal Insulation の有無によってクレヨンの溶ける速さが変ります。

現在の高機能5Gミリ波アンテナモジュールにはパワーアンプが内蔵されています。そのため使用デバイスの縁周辺で発熱が生じ、ヒートスポットが発生します。この用途に、グラファイトを用いて熱拡散させる従来の手法は、無線干渉を起こす為非常に困難です。さらに、アンテナモジュールの表面に十分なエアギャップの確保にも、スペースの限界があります。

5G通信に利用する大きな熱量に、限られたソリューションで対応している5Gデバイスのミリ波信号は、多くのケースで使用開始から1分も経過しないうちにスロットリングが開始します。5Gミリ波アンテナ用GORE® Thermal Insulationは、5Gミリ波アンテナモジュールに被せてフィットするように設計されています。電波干渉を最低限に抑えながら機器表面のヒートスポットを抑制します。

GORE® Thermal Insulationは独自の5Gサーマルソリューションを提供します。厚さのバリエーションは6種類あり、カスタム形状またQualcomm® 社製アンテナモジュール用にデザインされた形状での提供が可能です。エアギャップよりも効果的に熱をブロックしながら、電波の伝送損失は極めて低いという特徴がある5Gミリ波アンテナ用GORE® Thermal Insulationは、表面温度を低下させることで5G通信の良好な接続状態を持続させて、デバイスユーザーの使用満足度を向上させます

*「Qualcomm」は、Qualcomm社の商標または登録商標です。

5G mmWaveアンテナのにGORE® Thermal Insulationを設置することで、性能を最大限に引き出すことができます。
無線特性に影響しない断熱材が重要な理由

5Gアンテナモジュールの熱制御が課題となるケースがあります。デバイス設計者は、電波干渉を引き起こすことなく、5Gアンテナの放熱を行う必要があります。多くの設計では、アンテナの熱安定性を高めるために、グラファイトやその他の放熱部材をアンテナの背面に設置されます。

GORE® Thermal Insulationは、その低誘電率特性により、ミリ波信号への影響を最小限に抑えることができるユニークな 誘電体材料です。この素材は、表面のホットスポットを防ぐためにアンテナの前面に配置が可能で、無線用途の熱対策用部材として最適です。ゴアの断熱材は、アンテナからの熱を背後の拡散部材に熱を戻すことで、アンテナモジュールの放熱を高めます。前面の断熱材と背面のグラファイトの組み合わせは、アンテナの熱放散を管理し、熱の蓄積やホットスポットの発生を防ぎます。

5Gミリ波アンテナの性能を最大限生かすために、GORE® Thermal Insulationを使う理由

ヒートスポットの低減

ヒートスポットの低減
• 熱伝導率が0.020 W/mKの5Gミリ波アンテナ用GORE®Thermal Insulationは、25 °Cのエアギャップ(0.026 W/mK)と比較して、熱流を23%削減します。
• 5G信号を妨害しないアンテナモジュール裏側にグラファイト、アンテナ表面にGORE® Thermal Insulationを配置することで、熱がグラファイト側に移動し、5G信号への干渉を起こさず熱を拡散させることができます。

シグナル・インテグリティの維持

シグナル・インテグリティの維持
• 熱を抑えるためにパフォーマンスを抑制する必要機会が減少し、5Gミリ波信号通信の持続時間が長くなります。
• 低誘電率により、ミリ波周波数帯域での信号損失を最小限に抑えられます。

信号損失機会の低減

信号損失機会の低減
• エアギャップが狭い場合にアンテナモジュールがケースに接触するのを物理的に防ぎ、電気的にも絶縁して保護します。

容易にフィットして、取り付けが簡単

容易にフィットして、取り付けが簡単
• 厚さは5種類から、形状はカスタマイズまたは最も一般的に利用されているQualcomm® 社製のアンテナモジュール向けに設計された仕様から選択可能です。
• エアギャップをより薄いGORE® Thermal Insulationに置き換えることで、空間を節約できます。

GORE® ‌Thermal Insulation をさらに詳しく見る

2つのスマートフォンのサーモグラフィー画像:下はGORE® Thermal Insulationあり、上はなし。GORE® サーマルインシュレーションありのものは、温度が大幅に低い状態を維持している。

GORE® Thermal Insulation 5Gミリ波アンテナ用が、スマートフォンの5Gミリ波アンテナのヒートスポットを抑制し、アンテナの熱効率を向上させます。ユーザーでのテストで、1~4°Cの表面温度低減を実現しました。

5G及び無線用途に対応するゴアの専門技術

  • エアロゲルの配合率を高めることで、低熱伝導率と低誘電率を実現
  • エアロゲルの均一分散により、熱伝導率の均一化を実現
  • 100~530 μmの厚さバリエーションそれぞれに対して、厚さを均一に制御

 

 

 

 

適用例

GORE® Thermal Insulationの製品情報

製品データ*
特性項目
誘電率a 1.46
誘電正接a 0.017
信号損失の標準値(350µm未満の場合) < 0.3 dB
断熱材厚さb 0.10 mm 0.12 mm 0.23 mm 0.28 mm 0.38 mm 0.53 mm
封止構造のための材幅c 1 mm 1 mm 1 mm 1 mm 1 mm 1.5 mm
熱伝導率 (k)d 0.021 W/m•K 0.020 W/m•K
圧縮率 @ 100 kPa (14.5 psi) 13% 8%
比熱容量e 1.8 J/g °C
かさ密度 0.37 g/cc
使用温度f -40 °C to 100 °C
保護フィルム素材 PETフィルム(黒色)
粘着材種類 アクリル系
RoHSg 閾値要件に適合
最大サイズ 100 mm × 200 mm

 

6 GHz~70 GHz周波数帯での値
積層製品に用いる各素材厚さの報告値に基づく
最小値
改訂版ASTM C518に準拠
75℃で、ASTM E2716 メソッドBに準拠
100℃以上が求められる用途に対して、代替材料の選択が可能
上記製品は、RoHS指令(2011/65/EU)に記載の規制物質の最大濃度を超えて一切含まず、また、委員会委任指令(2015/863)を含む改訂RoHS 4条の物質規制に対応しています。

*値はすべて公称値であり、仕様や許容誤差ではありません。

5Gミリ波アンテナ用GORE® Thermal Insulationの参考仕様例

公称厚さa 0.28 mm
封止構造のための幅b 1 mm
寸法 5ミリ波アンテナ用GORE® サーマルインシュレーションの参考仕様例の図面**。

 

 

積層製品に用いる各素材厚さの報告値に基づいた公称値
公称最小値
** Qualcomm社もしくはその子会社が制作したQualcomm QTM545モデルに適応可能な製品

GORE® Thermal Insulation断面図

台紙、接着材、GORE® Thermal Insulation、保護フィルム、プルタブからなる熱設計の断面図。

GORE® Thermal Insulationは、極めて低い熱伝導率と誘電率により、5G信号への干渉を最小限に抑えながら表面温度を下げて、5Gデータの転送速度低減を防ぎます。

お問い合わせ

GORE® Thermal Insulationがノートパソコンにもたらす効果をご覧ください。

設計から製造まで、お客様に寄り添った製品サポート

ゴアの製品が、世界のOEMに支持されているのは、ペースが早く競争の激しい市場で、 当社の製品とサービスが開発及び部品供給面でのリスクを低くしながら、差別化された 画期的な製品を開発するのに役立っているからです。

世界のモバイル業界への提供実績

世界のモバイル業界への提供実績
ゴアは、世界のOEMの幅広い用途(スマー トフォン、スマートウォッチ、イヤホン、スマー トスピーカー、カメラ、タブレット、無線機な ど)に、ベントフィルター製品の理想的供給 パートナーとして数十年の実績を積み上げてきました。

設計への素早い対応

迅速な設計対応
ゴアは、モバイルエレクトロニクス産業で求められる迅速な設計・試作対応を通じて、開発チームがスケジュール通りにプロジェクトを進められよう支援しています。

確実な供給

供給安定性
モバイルエレクトロニクスの分野で長年の経験を有するゴアは、プロジェクトの成功に欠かせない製品の大量供給や素早い量産化対応を、製品性能を維持しながら迅速なタイミングで行うことができます。

安定した性能

確かなパフォーマンス
用途に対して最適な製品を供給するために、ゴアは品質、性能、信頼性全てにおいて最高な基準を保つようにしています。最終用途や要件の深い理解に基づき、仕様通りに正しく機能する製品を提供しています。

本製品は、一般工業用途に限定してご使用ください。

食品、医薬品、化粧品、医療機器の製造、処理、または包装作業にはご利用いただけません。

関連資料

GORE® Thermal Insulationに関するメディアや資料を用意しています。